九州北部豪雨と森


 

 

 

 
 
福岡県の東峰村に行ってきました。
昨年7月に発生した九州北部の集中豪雨で、被害のあった場所です。
私は実際に自分の目でその様子をまず確かめておきたいと思い、1/21~22日の2日間、東峰村を訪ねてみることにしたわけです。
訪問を快く受け入れて下さった方々、ご協力ありがとうございました。
 
東峰村は、福岡県朝倉市、福岡県田川郡添田町、大分県日田市とともに、政府から九州北部豪雨の激甚災害地域に指定された4市町村のうちのひとつです。
死者37名を出したあの災害からすでに半年以上が経過。
町は一見日常を取り戻しているかのようにも見えるのですが、そこに住む人たちの暮らしが今までどおりの日常を迎えるまでには、まだまだたくさんの課題があるように感じました。
被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
 
今回のブログタイトルは「九州北部豪雨と森」。
このブログで「九州北部豪雨と森」に関する全貌を書き尽くすことなど到底できるものではありませんが、私自身が見たこと、知ったこと、思ったことを、写真も含めここにお届けします。
 
九州北部豪雨の影響を増長させたのが大量の流木であることは、すでに皆さんも様々な報道からご存知のことだと思います。
間伐されず荒廃した過密人工林(線香林)の木々たちは、強く根を張ることもできないまま存在しているため、豪雨や台風の影響により、簡単になぎ倒され、流木化しやすいというわけなのです。
山林原野が約86%の東峰村。この地域は、遠賀川流域と筑後川流域の分水界でもあり、四方が山に囲まれているため、流木の被害もやはり大きかったのでした。
 
流木と豪雨被害との相関関係は、おおよそ以下のとおりです。
豪雨の影響で川に流れ出たはじめの流木たちが、橋などにまずひっかかる。
そして、次から次へと流れ出る後の流木たちも、同じところでひっかかる。
次第に積もり重なった流木たちが、ついには川の流れをせき止めてしまう。
勢いを増している川の水たちは行き場を失い、従来の川幅から大きくはみ出し周辺地域に溢れ出す。
 
川から離れた民家へも浸水被害が広がってしまったのは、このような流木の影響が大きいと言われています。
何も私は、流木をワルモノにしたいわけではありません。
山主さんもそれぞれにいろんなご事情を抱えて苦労されていらっしゃるわけですから。
 
私がただ思うことは、
「じゃぁ、これからをどうするか」
 
もし、九州北部豪雨から、ここ東峰村から、
得られる気づきがあるとすれば、
「これからをどうするか」
を今を生きる私たち人間ひとりひとりが見出し、
それを具体的にはじめることなのかもしれません。
 
アースフォレストムーヴメントとして、
いつか東峰村で、
自然配植による森林再生をはじめたいと考えています。
もし、その時が来たら、
みなさまからの知恵と工夫と力を、
どうぞ分け与えてください^^
 
その時が来るまで...
 
 
追伸、
東峰村は、遠方からのアクセスも決して悪くなく、それでいてのどかな場所でもあるため、今も多くの観光客が足を運んでくれています。
『小石原焼・髙取焼などの陶器づくり』『豊かな森に囲まれた岩屋神社』などで知られている東峰村。
あと、樹齢200~600年と言われる「行者杉」も大変見ごたえのあるものでしたよー^^
http://toho-info.com/pl_view/gyoujasugi.html
 
 
【参考文献】
・東峰村
http://vill.toho-info.com/
・一般社団法人 OPEN JAPAN
http://openjapan.net/
・国土交通省
 『平成29年7月九州北部豪雨による土砂災害の概要(H29.9.4時点)』
http://www.mlit.go.jp/river/sabo/h29_kyushu_gouu/top.html
 
【投稿者】
 松田卓也(アースフォレストムーヴメント)
 
【投稿日】
 2018年1月31日